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ネーミング
第二回オフ会より一つの企画が生まれました。「ネーミング」問題です。
デパートなどの小売店で、大きなサイズの服を表示するのにどのような表現が使われているかを調べてみよう、というものです。
会員の一人の方が、ご近所のデパートで、「イレギュラーサイズ」と表示されていることに疑問をもったことから始まりました。 そのお店では、「クィーン」サイズと「スモール」サイズを合わせて、「イレギュラーサイズ」と、エレベーターや階の入り口に表示されているとのこと。
1 オフ会のあった広島で入ったデパートでは、エレベーターの5階の表示が単に「サイズ」となっていることを発見。これ、何、と不信に思って、みんなでその階で降りました。
「サイズ」とは、大きなサイズ、小さなサイズ、のことでした。なんで、ただの「サイズ」なの?
もしかして、「イレギュラーサイズ」と書いてあったのを削った?? (笑)
5階で降りてみると、このデパートでは、大きなサイズは「モアサイズ」、小さなサイズは「チェリーサイズ」と表現されていました。
そしてこのモアサイズとチェリーサイズを扱うブランドの一覧表もありました。「トール&ラージ」「L」「プラス」「グランデ」「クィーン」「モア」と、ブランド名に付け加えられています。これに対して、小さいの表示はSのみ。ちょっと考えさせられるものがあります。
地元のデパートでは、大きいサイズが「レディ・フラワー」、小さいサイズが「レディ・プリティ」です。対比されているのが、フラワーとプリティ、名詞と形容詞、ちょっとかちんとくるものがあります。(笑) フラワーが大きいとなると、ぼたんのような感じ?(笑) 東京の人が見つけた伊。。。では、小さいのが「ストロベリー」、大きいのが「クローバー」「クローバープラス」「トール」となっているとのこと。
2 どうやら共通しているのは、
1) ネーミングはすべてカタカナということ。カタカナは、外来品を意味することから、商品のイメージとしては「しゃれた」という感じを出せるのかも知れません。もう一つは、「よそ者」という意味にもなります。以前、本を読みましたが、新車の広告モデルに外国人は使えるけれど、海苔の広告モデルに外国人を使うと、日本人からは反発を食らうだろうと。「和」によそ者は入れられない、という排除の気持ちが働くのです。あの本が出てから、だいぶ日本の状況も変わっているかも知れませんが、それでも日本人がもつ「うち」と「そと」の区別は、ものすごいものがあると私自身は考えています。 身体のサイズを、カタカナで標記することに、「うち」と「そと」の区別の意識が働いている、と考えるのは過剰かも知れません。単に商品のイメージを高めるために、カタカナが使用されているのでしょう。
2) 外国語の名詞を使うか、形容詞を使うか、で二分されているということ。大きいと小さいを対比させるのなら、フラワーサイズとチェリーサイズ、モアサイズとプリティサイズ、としたほうがいいな、とは思いました。といっても、用語を統一したところで、単にネーミングですから、何の意味もないかも知れませんが。。(笑)
3 これから考えること
1) 「ひまわりサイズ」と「さつきサイズ」といった、和語の使用の可能性 (笑)
2) 名詞で統一したほうが中立を保てる?
3) 形容詞を使うなら、具体的に明確に大と小を表したほうがすっきりするのでは。「LとS」、「Large と Petite」「ラージとスモール」のように。
4) 言葉狩りの意識には注意すること。