トールクラブ「ひまわりの会」会報 第4号    2010年6月

 

暑中お見舞い申し上げます

 

 

みなさあん、ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。

Text Box:  前回の第3号を出したのは、なんとちょうど1年前の2009年6月でした。1年があっという間にすぎてしまいました。申し訳ありません。

みなさんにとって、この1年はどんな1年だったでしょうか。

 

 

1 T.Mさんの英語スピーチ紹介

 

もう発表しても大丈夫と思われますので、ここにご紹介します。2008年秋、中学生だったMさんが、読売新聞社主催の「高円宮杯全日本中学校英語弁論大会」に参加、県大会から全国大会まで勝ち進まれました。今は、そのことが大きな自信となり、きっと楽しい高校生活を送っておられることと思います。 やはり、自分が考えること、思うことは思い切って自己表現するーそのエネルギーが自分を変える、社会を変える、そして少しずつでもみんながハッピーになる世界が広がっていく、ということではないでしょうか。Mさん、いい思い出ができて、ほんとによかったですね。

 

How I Grew Up So Fast

 

Have you ever felt that you stood out from other people? Have you ever felt different?  Have you ever felt so different that you wanted to change your appearance?  Well, I feel these things every day because I am tall.  Yes, tall!  How tall do you think I am?  Congratulations, if you guessed 173cm.

 

Many people come up to me and say, “You’re big”.  And I say, “No, you’re small”.  Or sometimes I say “Yeah, I’m lucky, aren’t I?  Do you want to be like me?”   Or “Are you jealous?”  They don’t understand how tired I am of listening to their dumb comments and questions.  Luckily, I find it easier to answer them now.  But I wasn’t so lucky when I was younger.  Back then I didn’t know what to say, so I often felt frustrated and sometimes even hurt.  When you are very tall, these things often happen to you in Japan.

 

Being tall isn’t always bad.  It has advantages.  I can reach high shelves to get what I want.  I can breathe fresh air in crowded trains.  I can see over crowds of people in big cities.

 

However there are some bad points, too.  I often hit my head on low door frames and it’s difficult to find clothes and shoes that fit me.  I’m often made to be the landmark for group gatherings such as school trips because I’m easy to see.  Some of the worst things about being tall are the bad nick names I get.  I’m called “Giant” or even ‘’Monster”.  People are always staring at me and that’s very disturbing.  Some people who were passing by once said, “You are not going to get married.  You are too tall for a husband.”  I felt like I’d been pushed down into a dark hole.

 

I’m always thinking about these things.  Are these issues so important?  Really?  Is appearance that important?  Why should appearance be more important than what is inside a person’s heart?  I think a person’s character is more important than a person’s height or even weight.  Don’t you think so, too?

 

It hasn’t been easy, but I don’t want to change my appearance any more.  Now I like being tall and being myself.  What is inside you is more important than what is outside.  So everyone, please remember not to judge people on their appearance but on their character.  Don’t judge people who are too tall, short, big, thin, or people who have big ears and so on.  We are all the same; we are human beings on the inside and out.  We all want to be accepted for who we are and not for how we look.

                                                                                                      Thank you.

 

私の成長・・・心と体

 

みなさんは今までに他の人より目立つと感じたことがありますか? 人と違っていると思ったことはありますか。 人と違いすぎているから、自分の姿を変えたいと思ったことは? 私は、毎日そう思っていました。 なぜなら、背が高いからです。 そう、背が高いんです。いったい何センチあると思いますか? 173センチぐらいだと思った人、正解です。

 

たくさんの人が私のそばに来ては、こう言います。「うわー、背が高いね!」 私は、「いいえ、あなたが小さいんでは?」とか「ええ、幸せ者でしょう? あなたも私みたいになりたい?」また、時には「うらやましいですか?」と、答えています。 こういう質問が繰り返されるたびに、私がどんなにいやな気持ちになっているか、おそらく誰もわかってはいないでしょう。 幸いにも、今はうまくかわせるようになりましたが、以前はそうではありませんでした。 その頃は、どう反応していいかわからず、いらいらした気持ちになったり、時には、傷つくこともありました。 背がとても高いと、こういうことは日本ではよく起こることなのです。

 

もちろん、背が高いことで得をしたと思うこともあります。 高いところにあるものでも、簡単に手が届くこと。 満員電車の中でも、いい空気が吸えること。 大きな町でも、人混みの上から、先が見通せることなどです。

 

でも、悪いことは、やはり多いです。部屋の入り口で頭をぶつけたり、体に合う服や靴を見つけることが難しかったり・・・。 修学旅行などでは、集まるときの目印になったりします。なんと言っても、目立つし、見つけやすい存在だからです。 背が高かったことで、とてもつらかったことの一つに、あだ名があります。私は、「巨人」そして、「モンスター」と、呼ばれていました。また、いつも人からじろじろ見られ、とても困惑します。 通りがかりの人に、「あんなに大きかったら、結婚できないね。つりあうお婿さんが、いないよ。」 と、言われたときは、暗い穴に突き落とされたような気分でした。

 

私は、いつも考えています。外見って、そんなに大切なことなんでしょうか? 本当に、そんなに、重要なことでしょうか。 人の心の内より、外見が大切であるべきですか? 私は、違うと思います。人の背の高さや体重よりも、人間性の方がずっと重要です。 皆さんは、そう思いませんか?

 

いろいろありましたが、私はもう外見を変えたいとは思っていません。 背が高いことも含めて、今の自分が気に入っています。 人の内面にあるものの方が、その人の姿かたちよりも重要なことなのです。 だから、皆さん、人を外見で判断するのではなく、人格を見るようにしましょう。 背が高い、低い、太っている、やせている、あるいは大きな耳をしているとか、そんなことで人を見ないようにしましょう。 私たちは、みんな同じです、内側も外側も含めて人間なのです。 どう見えるかではなく、どう生きているかを受け入れてもらえることを、誰もが願っていると思います。

 

 

Text Box:  2 参加型人権教育プログラム集

 

今年3月に、長野県にある「人権教育推進のための調査研究委員会」が、参加型人権教育プログラム集を作成しました。人権かるたをつくろうとか、絵本から学ぼうとか、自分たちが実際に疑似体験することで学ぼうというコンセプトです。その中で、2008年10月30日に朝日新聞に掲載された「身体差別 ありのままを認める社会を」が、資料として紹介されました。背の高い女性たちの悩みが、より多くの人々に少しずつでも認識され、社会が変わっていきますように。

 

3 NHKドラマ「ゲゲゲの女房」始まる!!

 

Text Box:  主人公の武良布枝さんも、小さいとき「電信柱」と呼ばれて、いやな思いをされたようです。お会いして、お話をお聞きしたいです、と手紙を出しました。和田アキ子さん宛と同じ結果になるのか〜〜〜〜(悲笑)ドラマのテーマは、今見ている限り、貧乏に負けずに夫を支えた良妻賢母??? “背の高い女”ではないようです。(笑)

 

編集後記 

Text Box:  ながらくニュースレターを出せずに、すみませんでした。去年から今年は職場闘争に目の手術と、ばたばたしていました。今年の秋、10月ごろに、日本に一時帰国しようと考えています。東京や関西でオフ会をもちませんか。またお会いして、視線の高さを共有できる安心感、連帯感を楽しみにしてます。

 

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