4) イリノイ時代 (1999年8月から現在まで)
サウスダコタで私が限界に達していることを納得した配偶者は、次の仕事探しをするのに、まず、新しい町が都会からどのくらい離れているかを最優先にチェックしました。「デカブはシカゴから1時間、それでもいいか。とうもろこし畑のど真中で、ほかには何もないよ。」
東西南北ほんとに何もないところに7年も住んだのです。シカゴからわずか1時間だなんて、天国だ。それが私の答えでした。
イリノイ州デカブに移ってきた翌日には、もう日本レストランでウエートレスの仕事をはじめました。7年間、仕事に、外の世界に飢えていたのです。レストランでは、しばらくのあいだ、アメリカ人が箸を使って生魚を上手に食べている光景から目を離すことができませんでした。こんなアメリカ人もいたんだ、と不思議で不思議でならなかったのです。そして、自分がやっとそんなアメリカ人もいる"まともな世界"に戻ってきたことも。。
あれから丸6年が経ちました。今、家族から揶揄されることといえば、このごろ遊びすぎて、全然本が出ないね、です。1ケ月に一度は大都会シカゴのエネルギーを吸いこんで、洗練された感覚とFUNを追い求めていると、文章を書くなどということはなんとかったるいことか。。
私はイリノイが好きです。空の青さと肥沃な農場の緑が鮮やかなコントラストをなしながら、えんえんと遠くまで続くイリノイの優しい風景が大好きです。単に消費文化に毒されただけで、洗練されながらも腐った匂いを漂わせるデカダンな大都会ではなく、中西部らしいおおらかな気持ちで弱者への視点も忘れない「左翼のメッカ」とされる気骨のあるシカゴが大好きです。
縁あってカリフォルニアからイリノイまで流れてきた私。私にとって書くことは、、一種の業のようなものです。楽しいイリノイでの貴重な時間を有機的に自分の人生の流れと結びつけ、ぼちぼちと書きつづけて、たった一度の人生を思いっきり生き抜きたいと思っています。
1999年 10月 「血と日本語 日系アメリカ人裏史に見るバイリンガルの罠と哀しみ、そして希望」 第6回蓮如賞最終候補作品
2000年 3月 「告白」第2回竹落ち葉随筆賞第3位入選 季刊誌「竹落ち葉」(ロサンゼルス竹本文芸社)収録
2000年 11月より シカゴ新報(シカゴ)に、エッセイ「イリノイ探訪」を連載(2004年1月まで)
2002年 8月 「もう大きいとは言わないで セクシュアリテイを否定する女らしさの社会規範」 解放出版社「部落解放」9月号
2003年 2月 「ワシントンDC1・18反戦デモに参加して」 解放出版社「部落解放」3月号
2003年 11月 「米の反ブッシュ草の根運動」 人民新聞 11月15日掲載
2005年 7月より 日米タイムス(サンフランシスコ)に、エッセイ「リンカーンの国から」を連載
2006年 1月 「エメットティルとシカゴ、そして私」日米タイムス、新年号掲載
2006年 1月 「和田アキ子みたいって誉め言葉?」人民新聞 1月25日掲載
2006年 6月 「ベストセラーって何?」人民新聞 6月15日掲載
2005年 9月 「大きい女の存在証明ーもしシンデレラの足が大きかったら」(彩流社)
2006年 8月 「悪気がないで、人格無視を許す社会」人民新聞 8月5日掲載
2006年9月より、US新聞に「イリノイこぼれ話」を連載
2008年4月 「観光コースでないシカゴ・イリノイ」(高文研)
2008年10月 「身体差別 ありのままを認める社会を」朝日新聞 10月30日掲載
2013年2月 「神戸へ、母へ」第35回「こうべ市民文芸」佳作入選
2014年4月 「Show Me the Way
to Go Home」(Wren Song Press)
2015年3月 「リトルブラウンマン(little brown
man)」をめぐる一考察―アメリカの包摂的視座から見た日本人の膚の色―
「立命館 言語文化研究 26巻4号」(立命館大学国際言語文化研究所)
2016年12月 “Michitaro Ongawa: The First
Japanese American Chicagoan”, Discover Nikkei, Japanese American National
Museum, Los Angeles, CA
2018年3月 「ブラウンマン:アメリカの包摂的視座から見た日本人の膚の色」河原典史・木下昭編「移民が紡ぐ日本:交錯する文化のはざまで」(文理閣)に収録
2018年3月 Foreword Jun
Fujita: Oblivion, Chicago Poetry
Foundation
2018年3月 “The Chicago
Nisei in Prewar Days” Discover Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2018年12月 “Atypical Japanese
Women – The First Japanese Female Medical Doctor and Nurses in Chicago” Discover Nikkei, Japanese American
National Museum, Los Angeles, CA
2019年3月 「Suspicious Point of Contact in Pre-war Chicago: Eizo Yanagi」Discover Nikkei,
Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2019年6月 「Suspicious Point of Contact in Pre-war Chicago: The Japanese Mutual Aid Society and
Charles Yasuma Yamazaki」Discover
Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2019年8月 「Suspicious Points of Contact
in Pre-War Chicago: The Japanese
Consulate and Naka and Pearl Nakane」Discover Nikkei, Japanese American National Museum,
Los Angeles, CA
2020年2月 Chicago Shoyu
Story-Shinsaku Nagano and the Japanese Entrepreneurs、Discover Nikkei, Japanese American
National Museum, Los Angeles, CA
2020年5月 “Hiroichiro Maedako’s Chicago”、
Discover Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2020年9月 “Takeshi
Takahashi’s Chicago”, Discover Nikkei,
Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2021年2月 “Toyokichi Iyenaga:Japanese Publicist in Chicago”, Discover
Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2021年4月 “4800 South Ellis Avenue in Chicago” Densho
Encyclopedia, Seattle, WA
2021年8月 “Japanese Christians
in Chicago 1 Rev Misaki Shimazu and
JYMCI”, Discover Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2021年10月 “Who taught the word Skebe to Americans in Chicago”, Discover Nikkei, Japanese American
National Museum, Los Angeles, CA
2021年12月 “Japanese Affinity with African American Communities”
Discover Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2022年2月 “Katsuji Kato: Spiritual Savior to Medical
Professional” (Japanese Christians in Chicago Series) Discover Nikkei, Japanese
American National Museum, Los Angeles, CA
2022年3月 「シカゴ醤油王物語―コスモポリタン永野新作の挑戦」河原典史・大原関浩編「移民の衣食住I―海を渡って何を食べるのか」(文理閣)に収録
2022年6月 “Illinois Japanese Unknown Heroes:
Japanese Domestic Workers and Japanophiles” Discover Nikkei, Japanese American
National Museum, Los Angeles, CA
2022年9月 「戦前シカゴの日本人―オンガワ道太郎」Discover Nikkei, Japanese American
National Museum, Los Angeles, CA
2022年9月 “Illinois Japanese Unknown Heroes: Japanese Acrobats and Entertainers in
Chicago” Discover
Nikkei, Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2023年2月 「戦前シカゴの日本人―シカゴの女性宣教師と日本人女性たち」 Discover Nikkei,
Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2023年3月 “Japanese Women in Chicago” Discover Nikkei, Japanese
American National Museum, Los Angeles, CA
2023年6月 「高橋武考―IWWとThe Proletarianを主眼にして」(『初期社会主義研究』 第31号)
2023年9月 「戦前シカゴの日本人―無名戦士たちの墓」Discover Nikkei, Japanese
American National Museum, Los Angeles, CA
2023年12月 “The Legacy of Isamu Tashiro: Nisei from Hawaii in
Chicago”
Discover Nikkei,
Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2024年2月 「戦前シカゴの日本人―梅子と筆子のシカゴ」Discover Nikkei,
Japanese American National Museum, Los Angeles, CA
2024年2月 「The Japanese in Chicago: A Short History-The Japanese
in Pre-World War II Chicago」Together for a
Brighter Tomorrow:Asian American
Coalition of Chicago, 41st Annual Lunar New Year Celebration
2024年6月 「金子喜一のフェミニズム再考―アメリカの新資料にもとづく批判的検討」(『初期社会主義研究』 第32号)
娘が作ってくれました。娘いわく、一番私らしいイメージとか。(笑)
冬の我が家の庭と14年前台湾にいた時の私です。